■改正会社法と取締役報酬の決定の再一任制度 22


○令和3年3月1日施行の改正会社法では、経営の透明性を高めるため、取締役の報酬決定方針の開示や社外取締役の設置義務化などが定められました。
 このうち、取締役の報酬に関しては、大企業は株主総会で個別の取締役の報酬を決めていない場合、取締役の報酬の「決定方針」の決議と概要の開示が求められることになりました(改正法361条7項)。
○従前、多くの上場企業では、株主総会で取締役の報酬総額の上限のみを決めて、各取締役会に一任し、取締役会が代表取締役に再一任するといった慣行が広く存在し、判例もそれを許容してきました(最判昭31・10・5、最判昭58・2・22)。
 今回の改正の議論の中で、上記慣行について一定の制限が提案されましたが、最終的には報酬の「決定方針」の決議と概要の開示の改正にとどまりました。
 したがって、「決定方針」として、代表取締役に再一任とすることを開示すれば、改正法には適合します。
 もっとも、報酬等の「決定方針」として定めるべき事項の具体的内容は、会社法施行規則98条の5各号に規定されており、決定を取締役等に一任する場合、その「権限が適切に行使されるようにするための措置を講ずることとするときは、その内容」を定めることになっています(6号)。今後、株主や投資家の手前、代表取締役への丸投げ的な再一任制度は見直されていくのではないかと言われています。
○当事務所では、会社法に関するご相談も受け付けております。お気軽にご相談ください。